注射による免疫療法(減感作療法)とは
意外にも免疫療法は、古くから行われてきました。
花粉症の注射による免疫療法である減感作療法は、既に健康保険が適用になっていますので、割合に低額で治療を受けられます。
この治療は、花粉症の症状の原因となっているアレルゲン(抗原)である花粉の不純物を取り除き、エキスにしたものを注射により体内に入れて、免疫システムを慣らす治療です。
薬の作用機序は、内服の舌下免疫療法と同じです。
治療期間は2年から3年で長期に及びます。
治療の開始当初は一週間に1度、病院へ通院して、腕に抗原である花粉エキスが入った注射をします。
開始から約4ヶ月までは患者ごとに決めた分量を計画的に増量します。
その後は2週に1回、次に月に1回と徐々に注射の間隔を開けていきます。
最後は、2ヶ月に1回程度を数年間は続けます。
治療は副作用を引き起こす可能性があるので、注射した後は15分程度病院内にとどまり、経過を観察します。
主な副作用としては、注射直後に一過性の蕁麻疹や痒みが出る場合もあります。
重篤な副作用としては、希に血圧低下や呼吸困難などの意識障害などのアナフィラキシーショックを起こすこともあります。
お風呂や食事などの地の生活面には特に支障はありません。
治療の効果は約8割程度です。
花粉症の症状や原因は人それぞれです。花粉症のアレルゲン(抗原)の種類によっては、治療が出来ないこともあります。
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