食べて改善させる子どもの食物アレルギー最新治療
■ 食物アレルギーのお子様の親御様に朗報
これまでの食物アレルギー治療の主流は、アレルギーを起こす食物を食べないことが常識でした。
しかし、アレルギーを起こす食物を食べて治すという、これまとは真逆の治療法が常識となりつつあります。
現在、臨床研究中の「経口免疫療法」は食物アレルギーのお子様をもつ親御様に朗報です。
子どもの栄養不足や給食に対する不安から払拭されるからです。
■ 食物アレルギーを食べて治す治療法とは
簡単に説明すると、
アレルギーを起こす食物を一つ一つ「食物経口負荷試験」で調べて特定し医師の指導下で「経口免疫療法」の治療を行います。
「経口免疫療法」とは、
「食物経口負荷試験」で特定したアレルギーを起こす食物を医師の指導でアレルギーを起こす最低量から少しずつ増量して食べていき、その食物に対して免疫をつくる治療法です。
■ ご存知の様に食物アレルギーは小児に多い
アレルギーを起こす食物は、主に玉子、牛乳、小麦粉が中心です。これらのアレルギーは6歳位までにほとんどの子ども治療なしに自然に食べられるようになります。
しかし、2割程度の子どもは改善せず、誤って口にした場合、アナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
最近の例ですと、2012年12月に調布市の小学校の給食で食物アレルギーによる死亡事故が起こりました。
■ スギ花粉症の治療も免疫療法へ
花粉症にも、同じ様な治療法が昔からされていて、つい最近、鳥居薬品の「シダトレン」という舌下免疫療法薬が厚生労働省の製造販売認可を取得しました。
この治療法は、アレルゲンであるスギ花粉の含まれたシロップを舌下に垂らして服用し、スギ花粉を体の慣らしていく免疫療法です。
完治も期待できる治療として医師や患者から高い注目を浴びています
■ 食物アレルギーの最新治療には健康保険が適用
食物アレルギー治療の「食物経口負荷試験」は、2008年までに通院、入院ともに健康保険が適用されました。
「経口免疫療法」は、今は臨床研究期間になっていて、この療法の費用は国の研究費が充てられるので、この療法を希望すれば、診察料、検査料、入院費用で受診できる可能性もあります。医師に相談してみましょう。
■ 食物アレルギーの程度により通院か入院を決める
食物アレルギーが軽度の場合は、外来で通院により医師の指導を受けながら、自宅で経口免疫療法を行う事が出来ます。
また、重度の場合は緊急の場合に備えるため入院により医師による経口免疫療法を受けることも可能です。
■ 「アレルギー専門医」が10人以上在籍する医療機関
1.相模原病院(神奈川県相模原市)
2.昭和大学病院(東京都品川区)
3.獨協医科大学病院(栃木県壬生市)
4.埼玉医科大学病院(埼玉県毛呂山町)
5.日本大学板橋病院(東京都板橋区)
6.名古屋大学病院(愛知県名古屋市)
7.藤田保健衛生大学病院(愛知県名古屋市)
8.福岡病院(福岡県福岡市)
9.千葉大学病院(千葉県千葉市)
10.東京医科歯科大学病院(東京都文京区)
11.大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター(大阪府羽曳野市)
12.近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)
13.岡山医療センター(岡山県早島市)
14.九州大学病院(福岡県福岡市)
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