花粉症情報館

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花粉症を発症するメカニズム

 

花粉症の患者が年々増えて今では、4人に1人の3000万人が花粉症とする調査データもあります。

 

花粉症を発症すると治らないのが常識になっています。
 
花粉症は、花粉飛散のシーズンに突然発症します。花粉症の発症メカニズムを知っておきましょう。

 

花粉症の症状が出るまでの流れ、「感作の成立」とは

 

Tレグ細胞 
「出典:NHKスペシャル」
 
@アレルゲン(抗原)である花粉が目や鼻などの粘膜に花粉が付着します。

 

ABリンパ球のマクロファージが花粉を異物であると認識するとともに情報を記憶します。

 

B次に、Bリンパ球は、花粉を攻撃対象としてIgEと呼ばれる抗体を作ります。

 

CIgE抗体は、肥満細胞と結合し、花粉が侵入する度に結合を繰り返します。

 

DIgE抗体と肥満細胞との結合体が増え続け、飽和状態になることを「感作が成立した」といいます。

 

?次にアレルゲンである花粉が侵入すると、「肥満細胞」に結合した「IgE抗体」がアレルゲンと結合し、「抗原抗体反応」を起こします。

 

この反応が刺激になり「肥満細胞」が活性化され、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、花粉症の症状を引き起こします。

 

以上ように、花粉症は或る日突然症状が出ますが、体の中では症状が出るまでに、着々と準備が進められています。

 

また、花粉症の発症には、個人差があり、花粉が飛散する同じ環境に住んでいても花粉症を発症する人としない人がいます。

 

最近の研究では、体内に花粉に対応する制御性T細胞(Tレグ細胞)が多い人は花粉症を発症しないことが明らかになりました。
 
この制御性T細胞(Tレグ細胞)は、体に害のない花粉などの物質に対する免疫細胞の攻撃をストップする働きをします。
 
制御性T細胞(Tレグ細胞)は、幼い時に花粉や細菌などアレルギーになる物質に触れることで腸でつくられることがわかっています。
 
制御性T細胞(Tレグ細胞)を増やす方法が、今後のアレルギー疾患を予防する観点からも治療の主流になると考えられています。

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