
花粉症の治療は東洋医学で体質改善
花粉症を発症する人と発症しない人がいます
花粉症はスギ花粉の飛び始める2月頃から鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状が現れるアレルギー性の病気です。
今日では日本人の4人に1人、3000万人が発症していると言われる国民病です。
昔はこれほど多くの患者がいなかった花粉症ですが、花粉が突然増えた為に患者が急増したわけではなく、現代人の食生活の変化や大気汚染などが大きくかかわっていると考えられています。
同じ場所、同じ環境で育っても、花粉症を発症する人と発症しない人がいます。
個々人で免疫細胞の働き方に違いがあって、花粉症はその人の「体質」が大きく関わっていると思われます。
花粉症を治療するには「体質」を改善することが最も効果的なのです。
この「体質」を改善するのに東洋医学が力を発揮します。
食生活では体を温める食べ物で体質改善
東洋医学では「気」「血」「水」の流れを改善して体全体のバランスを整えるといった考え方に基づいて治療をします。
花粉症を治すために東洋医学では、毎日の食生活を見直すことが最も大事なことだと考えられています。
花粉症は鼻水やくしゃみ・涙などといった水分が身体から出る症状があります。
これは東洋医学的な考え方からすると体内の水分を出して、身体を温めようとする防御反応が働いているために起こる症状だと見ることができます。
花粉症の改善法として、身体を温める食べ物を積極的に取り入れて体質改善をすることが良いとされています。
身体を温める食材の代表的なものと言えばトウガラシ・しょうが・ねぎ・ニラ・芋類・りんご・みかん・うなぎ・フグ・鶏肉などがあります。
冬が旬のものが多いですね。
昔から「旬の食べ物を食べなさい」と言われている理由が納得できます。
逆に身体を冷やす食べ物は、トマト・ほうれん草・カニ・ハマグリ・豆腐・納豆・豚肉・馬肉・バナナなどがあります。
花粉症の予防や改善を考えている方は、身体を冷やす食べ物はなるべく摂らないようにして、身体を温める食べ物を積極的に摂り入れるようにしましょう。
漢方薬の処方や経絡ツボ療法による体質改善
花粉症を治療するのであれば、ご自分の体質に合った漢方薬を服用することで体質改善に役立ちます。
体質改善の主な漢方薬として、「当帰芍薬散」「桂枝茯苓丸」「柴胡桂枝湯」などがあります。
ご自分の体質に合うものを漢方医などに相談して処方してもらった方がより効果的です。
漢方医や専門の漢方薬局では、人それぞれの「症」を舌診や脈診などの診断方法を取入れて、<気>が足りないのか<血>が足りないのか等を判断し、その人に合った漢方薬を処方してもらうことができます。
最後に花粉症に効果のあるツボをご紹介しましょう。
まず一つ目のツボは「三陰交(さんいんこう)」といって足の内くるぶしから4横指分上のところにあります。
一般的には婦人科系の特効ツボですが、血液の循環やホルモン分泌に関わりがあるとされています。押すと痛みがあります。
(特に女性)二つ目のツボは「合谷(ごうこく)」です。便秘に効果的なツボとして有名です。
手の親指と人差し指の間の骨の付け根の部分にあります。この部分を反対側の手の親指と人差し指で挟んでゆっくりと押します。
ツボ押しには、身体の自然治癒力を高めて冷えを改善する働きがあります。
花粉症の治療には、体全体のバランスを整える東洋医学の考え方を取り入れることをおすすめします。
体質改善で花粉症も軽減されます。
花粉症の原因は大気環境と食生活にあり
アレルギーの仕組み
一年で一番健やかな季節であるはずの春が最もつらいとおっしゃる方が多いようです。
花粉症の方は、スギ花粉に対するアレルギー症状により体に変調を感じ始めるのです。
アレルギーの仕組みは、免疫力と深い関係があります。
人の体は、体内に異物が入り込むとそれを排除しようとする働きをします。
これを免疫作用とよびますが、免疫力が強ければ、風邪を引かなかったり、体内で発生するがん細胞を殺して体を守ります。
しかし、体に害のない花粉に対しても免疫力が過敏に反応して、自分自身の体に障害を与えるのがアレルギー症状です。
日本の高度成長期にアレルギー疾患が急増した
体に害のない物質に対して過剰な反応をするのかはまだ解明されておりません。
アレルギーは、今から約45年位前の日本の高度成長期である昭和40年ごろから患者が出始め、現在もアレルギー疾患の患者は増え続けています。
当時、アレルギーの原因と考えられていたのが、工場からの化学物質の排出や車からの排気ガスです。
また、食生活も穀類や野菜中心から肉や乳製品などを中心に食事の欧米化が進みました。
日本が過去に経験した、今の中国の大気汚染
経済発展の新興国である中国では、空気中に有害物質を含んだ霧が立ち込めており、深刻な大気汚染が長期間続いております。
呼吸器系疾患の患者が急増し市民生活にも支障をきたしています。
原因は排ガスや工場からの化学物質、そして暖房用に使用する重油、石炭の煙といわれています。
体質改善をする東洋医学の考え方
日本でも高度成長期には、光化学スモッグと呼ばれ、天気が良い日は、天気予報で注意を促され、大気汚染がひどい日には学校が休みになることもありました。
しかし、まだ最先端の医学を以ても解明することが難しい免疫機能が関与するアレルギー疾患、体に優しい体質を改善する東洋医学の考え方が解決のヒントを持っていると考えています。
一度体質改善すれば花粉症やアレルギーの悩みから解放されます
ツボや漢方薬に代表される東洋医学は、体の根本から体質改善する方法なので、治療の分野でいうと手術とは対極にあります。
手術や西洋医薬とは違い、体質が改善するまである一定の期間が必要となります。
この期間は、症状の程度や個人差もありますが継続することで必ず改善の効果があらわれます。
改善出来れば、本人の体質となって花粉症やアレルギーの苦しみから解放されます。
花粉症の体質改善、サプリメントとの比較
花粉症のサプリメントは各社から発売されています。
本来サプリメントは、日常の食事では摂取出来ないか不足しがちな栄養素であるビタミンやミネラル、アミノ酸などを補助することです。
サプリメントには、薬効作用を発揮する成分も含まれますので、医薬品との飲み合わせに注意する必要があります。
常用している医薬品がある方は、サプリメントを飲む前に必ず担当医に相談しましょう。
サプリメントと薬の飲み合わせで、常用している薬の作用を強めたり弱めたりする場合があります。
生薬、酵素、ダイエット食品などもサプリメントに含まれます。
広い意味では、漢方薬などもサプリメントといえるかもしれません。
小さい頃から扁桃腺熱に苦しみ続けた私にとって、漢方薬を飲んで、約一か月半の期間に体質改善に成功し、扁桃腺が完治したことはとても幸いなことでした。
体質を改善するために必ずしもサプリメントや薬を飲まなければならないとは限りません。一番良いのは、何も飲まずに体質改善出来ることが一番良いわけです。
花粉症が軽度であれば、一時的に緩和するために花粉症に効果のある甜茶や蓮、乳酸菌などのサプリメントをおススメします。
花粉症は免疫系が影響しているので、上記のようなサプリメントでは完治するのは難しいでしょう。
軽度・中程度の花粉症の場合、クシャミ系の花粉症と鼻づまり系の花粉症では以下の目安となっています。
◎くしゃみ、鼻水型花粉症の場合の一日の鼻をかむ回数の目安
一日の鼻をかむ回数が5回以下 軽度
一日の鼻をかむ回数が6回以上10回未満 中程度
◎鼻づまり型花粉症の一日の鼻詰まりの程度
鼻が詰まっているが口呼吸はない 軽度
鼻が詰まっているときどき口呼吸 中程度
同じ環境にいても花粉症を全く発症しない人もいます。これは、遺伝や免疫細胞の働き方の違いであることが分かってとおりますが、その原因については未だ解明されていません。
現在の西洋医学(薬や手術)では、花粉症を完治することは難しく一時的に緩和することしかできません。
花粉症を一度発症してしまうと免疫作用によって抗体が増える続けるため花粉症が悪化することはあっても、改善することはありません。
(年によって花粉の飛散量の多少により症状の差はあります)
毎年、花粉症の飛散する時期に辛い思いをされている方には、長年の慢性病を完治した私の経験から是非とも「体質改善」に取り組んで頂きたいと思います。
体質改善は、東洋的な考え方に基づいた、薬や手術を用いない体に優しい体質改善方法です。
花粉症の体質改善、手術との比較
花粉症の予防や治療には様々な方法があります。
最近では、花粉症を完治させる舌下免疫療法が健康保険の適用となりました。
花粉症は、重症化すると日々の生活に大きな影響を及ぼすため、短期的な観点から手術を受ける方が良いようです。
重度、最重度の花粉症の場合、クシャミ系の花粉症と鼻づまり系の花粉症では以下の目安となっています。
◎くしゃみ、鼻水型花粉症の場合の一日の鼻をかむ回数の目安
一日の鼻をかむ回数が7回から11回以下 重度
一日の鼻をかむ回数が21回以上 最重度
◎鼻づまり型花粉症の一日の鼻詰まりの程度
鼻が詰まり口呼吸がかなりある 重度
鼻が詰まり一日中口呼吸 最重度
西洋医学的な薬や鼻道の粘膜の下鼻甲介を適度に焼くレーザー手術や下鼻甲介の腫れた内部を燃焼して蒸発させて鼻道を確保する最新のコブレーター手術も即効性があります。
一時的には優れた治療法と言えますが、翌年も同じ手術をしなければなりません。
手術が花粉症改善の決定打とまではいかないのが現状です。
私は、長年苦しんでいた扁桃腺の腫れによる高熱から解放されたのは東洋医学の考え方に基づく治療でした。
漢方薬による体質改善で完治して既に15年以上経過していますが、年に二度ほど発症し40度前後の高熱で苦しんでいた扁桃腺熱が、まるで嘘のようになおりました。
体質が改善されたのは、私の免疫系のシステムが過剰に反応せずにコントロールされるようになったのです。
花粉症の体質改善、マスクとの比較
マスクは、花粉やインフルエンザウイルス、ほこりなどの遮断に効果を発揮してきました。
最近は放射線の遮断にも大きな効果がある事が分かっています。
マスクは、有害な物質が人間の体内に侵入することを入り口で防ぐ時に大きな効果を発揮します。
花粉症の対策としてマスクはとても有効に機能します。
花粉を完全にシャットアウト出来れば、体内で花粉の抗原が作られないので花粉症は発症しません。
現実的には花粉を完全にシャットアウトすることは不可能ですが、花粉が体内に入るのを入口である鼻や口の直前で防御し減らすことが出来れば花粉症の発症を遅らせることが出来ます。
また、現在花粉症を発症している方は症状の重症化を避けることも出来るでしょう。
しかしながら、マスクでは花粉症を完全に予防したり、花粉症を完治することは出来ません。
マスクを装着し花粉を侵入を防御しつつ、同時に生活習慣を見直して体質の改善を図られることが大切です。
即効性はありませんが、私の経験から結果的に早道と考えています。
毎年、花粉の飛散する時期に、薬やサプリメント、花粉対策グッズなど何らかの手当てをすることを考慮すれば費用も安く収まります。
私の体験から花粉症の治療は体質改善です。
私は保育園に通うころから、毎年二回ほど扁桃腺熱に悩まされていました。
一度熱が出てしまうとすぐに40度前後の高熱になってしまい。高熱と寒気との戦いは最低でも二日間は続きました。
毎年必ず高熱に悩まされて、レーザー手術で扁桃腺を焼く事も考えました。
しかし、お医者さまへ相談したところ扁桃腺を焼いても必ずしも改善するとは限らないと言われ、自分の体質だからとあきらめていました。
(花粉症のレーザー手術と同じで、焼いた粘膜は数か月で元に戻るので完治しないのです。レーザーで焼く火傷の程度は、T度熱傷からU度熱傷で数週間でもとに戻ります。焼き過ぎれば粘膜の他の免疫機能が失われてしまう可能性があります。)
40歳を過ぎに勤め先の仕事の関係で中国人医師と知り合い、長年の苦しみを相談してみました。
すると漢方薬で体質改善すれば良くなると言われ、中国人医師に漢方薬の処方をしてもらい、その処方を漢方薬局で調薬、半信半疑な気持ちで毎日朝と夜に煮出して飲み続けました。
漢方薬は健康保険が適用にならないので費用もかかりました。
また苦いという難点がありましたが飲み続けました。
そして一ヶ月半ほど飲み続けて様子を見ることになりました。
その時以降20年近く経過しておりますが、一度も扁桃腺熱に悩まされることなく全く開放されています。
これまで西洋医学一筋に頼ってきた私にとってはすごく不思議な気持ちになりましたが、心から感謝をしています。
処方の内容を中国人医師に聞いたところ、胸から上周囲に「熱」(中国読みで「ルゥ」)が集中しているので、その「熱」を少し下げるための処方をしたとのこと、つまり「体質改善」をしたとのことでした。

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