舌下免疫療法の知識

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舌下免疫療法治療前の知っておくポイント

 

舌下免疫療法の知っておくポイント
 
舌下免疫療法は、スギ花粉が飛散している時に治療を始めることは出来ません。
 
治療を開始できる期間は病院によって多少の違いがありますが、大よそ6月から11月までの期間です。

 

 

なぜ治療の開始時期が決まっているのでしょうか?

 

舌下免疫療法は、花粉症の原因のスギ花粉のエキスを医師から処方された分量を毎日服用して慣らしていく治療です。
 
花粉が飛散している時期に治療を始めると、体内に入る量が増え、副作用のリスクが高まります。

 

適切な時期に治療を始めても副作用がありますか?

 

一番多い症状は、口の中のかゆみや腫れです。
 
また、のどや耳のかゆみなどの症状が現れる場合もあります。
 
臨床検査期間では起こっていませんが、重いアレルギー症状のアナフィラキシーを引き起こす可能性があることも知っておきましょう。

 

子どもも治療を受けられますか?

 

現在は12歳以上が対象です。
 
新薬ですので、国も治療の範囲について慎重に進めています。
 
多くの子どもが花粉症に苦しんでいますので、親としては早く子どもに治療を受けさせたいと思っているでしょう。
 
12歳未満については現在臨床検査中です。安全が確認されれば開始年齢が下がると思われます。

 

 

 

 

効果が表れるまでどの位かかりますか?

 

スギ花粉に慣らして体質を変える治療法です。
 
個人差がありますが、約2〜3年かかります。少しずつ改善しますので例えば6月に治療を始めれば翌年の春のスギ花粉飛散時期には改善効果を感じる方もいます。

 

 

治療が適しているかをアレルギー検査します

 

スギ花粉に対してのアレルギー検査が必要です。
 
複数のアレルギーのある方は治療が出来ない事もあります。

 

治療効果がありますか?

 

効果には、個人差がありすべての患者さんに効果が期待出来るわけではありません。
 
臨床検査期間では、完治と改善を合わせると約8割という結果が得られています。この数字は、薬では高い効果が期待できるレベルと言われています。
 
しかしながら、約2割の方にはあまり効果を期待することができません。

 

どのくらいの間隔で通院しますか?

 

問診など経過観察や薬の処方のため定期的な通院が必要となります。
 
また、新薬の場合の規定があり、国の承認を得て治療が開始された薬は最初の1年間は最長で2週間までの処方となります。
 
鳥居薬品の舌下免疫療法薬シダトレンは、新薬として治療が開始されたのが平成26年10月からでしたので、平成27年10月からは、30日間もしくは90日間の処方になると思われます。通院間隔も月に1回程度で良くなります。

 

 

 

 

治療はいつでも開始できるのですか?

 

スギ花粉が飛んでいない時期に治療を開始します。
 
スギ花粉の飛散が無くなる6月頃から11月頃までにの治療を開始するのが標準です。

 

治療費用はどのくらいかかりますか?

 

平成26年10月から健康保険が適用になりましたので、治療費の3割を負担となりました。
 
治療の開始前に必ずアレルギー検査を受ける必要があります。その検査費用が初診料込みで5,000円から6,000円程度かかります。
 
治療費は健康保険適用されたので、月に2,000円から3,000円(3割負担の場合)程度になります。また、治療中に過剰反応や副作用が出た場合は別途薬が処方されますので、その分が加算されます。
 
毎年花粉症に悩まされて、対処療法の薬やサプリメント、対策グッズなどを購入している方にすれば、そんなに高い治療費ではないかもしれません。

 

 

スギ花粉症の舌下免疫療法とヒノキやブタクサへの効果はあるの?

 
舌下免疫療法はヒノキやブタクサにも効果
 
今回、健康保険が適用になったスギ花粉症の舌下免疫療法はヒノキや秋の花粉症のアレルゲンであるブタクサ等の他の花粉症にも効果があるのでしょうか?
 
アレルギー疾患の免疫療法は、まずアレルギーを起こしている物質(アレルゲン)が何であるかを血液検査等で突き止め、特定する事から始まります。
 
治療は、花粉症の原因になっているアレルゲンを体内に入れることで、アレルゲンを体を慣らし症状を緩和、完治させる治療です。
 
国の認可を取得したスギ花粉症の舌下免疫療法は、他のアレルゲンが原因の花粉症には効果はありません。

 

花粉症の約8割の人がスギ花粉症

 
今回、健康保険が適用となったスギ花粉症、舌下免疫療法は、スギ花粉がアレルゲンとなって花粉症の症状が出ている方が治療の対象となります。
 
花粉症患者の約8割がスギ花粉症と云われています。
 
患者数が多い疾患から優先して研究され認可されるのは当然の事かもしれませんが、他の花粉症で苦しんでいる方も約600万人もいる事を考慮すると少しでも早く、健康保険の適用がされる事を祈るところです。

 

他のアレルギー疾患の免疫療法も普及

 
イギリスでは、花粉症のみならずダニやハウスダスト等の様々なアレルギー疾患に対して、免疫療法が活用され、広く普及しています。
 
我が国では、スギ花粉症舌下免疫療法薬「シダトレン」の製造認可を契機に、他のアレルギー疾患に対しても免疫療法が普及していくと思われます。
 
花粉症の原因になっているアレルゲンは、ヒノキやブタクサ等60種類以上あると云われていますが、それぞれにのアレルゲンに対応した舌下免疫療法薬が必要になると考えられます。
 
免疫療法の治療方法は、共通ですので、花粉症の各アレルゲンに対しての臨床研究が少しでも早く進む事を願うところです。

 

 

治療が受けられる病院や資格を持った医師の情報公開

 
舌下免疫療法の治療を始める医師は、所定の講習会を受講した後、確認試験にパスし、登録しなければなりません。
 
よって、病院探しには登録された医師が在籍していることが条件になります。
 
国に製造認可を受けた舌下免疫療法薬である「シダトレン」を製造販売する鳥居薬品株式会社のホームページにて、健康保険が適用となる平成26年10月頃に治療が受けられる病院の情報が公開される予定です。

 

 

鳥居薬品株式会社
 
 
また、日本アレルギー学会では、講習会を受講し登録している医師の情報を公開する予定です。
 
公益財団法人日本アレルギー協会

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