2017年春のスギ・ヒノキ花粉飛散予測情報
2016年9月21日にNPO花粉情報協会は都内でセミナーを開き、2017年春のスギ花粉・ヒノキ花粉の飛散量は西日本で今年比2〜6倍、東日本各地では過去10年の平均および2016年と比較して同程度かやや少なめの見込みであると報告しました。
また、2016年11月22日に元東邦大学薬学部教授の佐橋紀男氏が行った花芽調査南関東の花粉飛散シーズンに影響を及ぼすとされる千葉県内陸の調査では樹木の先端から下まで全体的に花芽が着生したスギが多く、準豊作といえる着花状況であったことから、2017年のスギ花粉の飛散は例年以上で2016年より多くなる可能性も見込まれると発表しています。
佐橋氏は2017年の飛散量について、スギ花芽の密度が高く、ほぼ前面に付着している状況であったこと、またヒノキに関しても花芽の着生状態は良好であったことから過去10年平均並みか、やや多い飛散が予想され、スギ花粉とヒノキ花粉の飛散が長期化する可能性が見込まれると報告しています。
前年春の花粉飛散量、夏の気象条件が関与
スギやヒノキの花粉飛散量は、前年の夏の日照時間が長く、前年春の花粉飛散量が少ないと多くなる傾向にあります。
夏の日照時間が長くて気温が高いとスギ花粉の原因となる雄花が多く育ちます。そして育った雄花の一部は秋口にもスギ花粉として飛散します。
以上の基準にあてはめると同協会理事で気象予報士の村山貢司氏は以下のように説明しています。
東日本地域の飛散量予想
「今年よりやや少なめ」
東北地方は今年7、8月の日照時間が平年に比べてやや長かったものの、春先の花粉飛散量は多かった関係から来年の飛散量は今年の約5?7割と見込まれる地域が多いと説明しました。
ただし、今年の飛散量は福島市8,000個、山形市7,000個、仙台市5,000個を超えており、大量飛散と呼べる状況であったことから、「絶対数としては決して少なくない」と指摘しました。
関東甲信地方の飛散量予想
「今年より少なめ」
関東甲信地方の夏の日照時間はほぼ平年並みであり、飛散量も各地とも10年平均と大差なく、来年の飛散量は北関東ではおよそ6,000?8,000個、南関東ではおおむね4,000個前後となり、今年と大きな差が生じる地域は少ない見込みとしています。
北陸・東海地方の飛散量予想
「今年より少なめ」
北陸・東海地方の日照時間は、今年7月の新潟市を除いて平年比120%前後の長さとなっているが、北陸地方のほとんどの地域では今年、比較的多く花粉が飛散したため、来年は10年平均に比べ飛散量がやや少なくなると予想されるとしています。
東海、中部地方の飛散量予想
「一部の地域で多め」
今年の飛散量が少なかった福井市や東海地方の大垣市(岐阜県)、津市では来年は多め、それ以外の東海地方の各地域では同水準になると見られ、今春と比べた場合、北陸地方は福井市や小松市(石川県)以外は全体的にやや少なめで中部地方は浜松市や津市で大幅に飛散量が増えると見込まれるとしています。
近畿地方の飛散量情報
「全体的に多め」
近畿地方は全ての観測地域で今夏の日照時間が平年より長く、今春の花粉飛散量は10年平均より少なかったため来年の飛散量は10年平均が1,000個ほどだった和歌山市でも2,000個近くに達すると予想されるため他の地域もおおむね3,000個を超えて10年平均よりかなり飛散量が多くなると予測されるとしています。
中国、四国地方の飛散量情報
「飛散量が多い」
例年飛散量のばらつきが大きい中国、四国地方は、今夏は軒並み日照時間が平年より長く、今春の飛散量も米子市(鳥取県)や高松市を除き10年平均より少なかったため、来年の飛散量は10年平均を上回る見込みで、特に四国地方は予測精度が低いヒノキの数が多いため、さらに飛散量が上乗せされる可能性もあるとしています。
九州地方の飛散量予想
「飛散量が宮崎で6倍」
九州地方の今夏の日照時間は平年より長く今春の飛散量が10年平均より大幅に低かった関係から来春はどの地域も今年より3?4倍前後の飛散量に達する見込みで、特に宮崎市では約6倍に上ると予測され、ヒノキの数が少ない九州南部よりも多い九州北部の方が飛散量は多くなる傾向であるとしています。
スギ花粉の飛散開始時期について
村上氏は、スギ花粉の飛散開始時期として「九州地方の中部と北部および四国地方、山口県、静岡県の一部は2月上旬」、「関東および東海、近畿、中国地方、九州南部は2月中旬」、「北陸・東北地方の中部・南部は3月上旬」、「東北北部は3月中旬から下旬」、「北海道地方は4月上旬」と説明しました。
「記事参照元」
2017年春のスギ・ヒノキ花粉飛散予測セミナー
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