舌下液「シダトレン」は平成26年10月から保険適用の治療が開始されています。
また、平成28年より、年齢制限のない舌下錠「シダキュア」も保険適用となりました。
「シダトレン」と「シダキュア」の効果はほぼ同等であることが臨床試験から分かっています。
以下は「シダトレン」を中心に説明しています。
花粉によるアレルギー症状は、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、下痢や頭痛など様々です。
物事に集中することが出来ず、イライラ感が募ってしまいます。毎年スギ花粉が飛散する春先に以上のような症状でお悩みの方にはスギ花粉舌下免疫療法をおすすめいたします。
スギ花粉舌下免疫療法とは鳥居薬品が花粉症の根治を目指す新薬として開発し、スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」の名称で厚生労働省の製造販売の承認を受けた薬剤を使った治療法です。
11月から12月かけてスギ花粉エキス舌下液「シダトレン」の舌下免疫療法の治療を始めましょう。
舌下免疫療法は、花粉症を治して断つための治療法です。
この時期に治療を始めればスギ花粉が飛び始める翌年の春先には少し改善効果が感じられるでしょう。
治療のタイミングを逃した方は、スギ花粉の飛散が終わった後6月頃から始めてみませんか。
(※舌下免疫療法はスギ花粉が飛散している期間は治療を開始することができません)
鳥居薬品の 新薬、スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」とは
スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」は、舌下免疫療法薬で、ヨーロッパでは昔から「スリット減感作療法」として国が認定しています。
広く認知され、既に多くの医療機関で行われている治療法なのです。
「シダトレン」の舌下免疫療法薬も「減感作療法」として処方されます。
また、世界保健機関(WHO)でも安全な治療法として推奨しています。
今までの注射による「減感作療法」は継続率が低かった
日本では、注射による「減感作療法」が主流でアレルゲン免疫療法とも呼ばれています。
スギ花粉の抗原液を継続的に注射する治療法です。
スギ花粉の濃度を徐々に濃くすることで、スギ花粉症の原因になっている物質を体に慣れさせて症状を軽くしたり、根治させる治療です。
この注射による治療は、1週間に2日の通院が必要で数ヶ月もかかります。
痛みと煩わしさがあり、治療にはかなりの根気が必要になっていました。
よって、継続率が低い治療法でした。
今回、保険適用になった「舌下免疫療法」は、治療を継続しやすいことで注目されています。
シダトレンの治療の内容
スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」は、注射の代わりに舌の下部に薬をたらして服用する薬です。
自宅で簡単に取り組める点に大きなメリットがあります。
スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」による舌下免疫療法は、医師の診察と診断、処方そして指導の下ですすめていきます。
通院は、2週間に1回で良いため患者の負担も軽減されます。
※参考
新薬であるため、治療が開始されて最初の1年間は薬の処方が最長で14日間となります。
2年目からは、60日分が処方されますので、最長で2か月に1回医師の診察を受けるだけで頻繁に通院する必要がなくなります。
投与方法と治療期間
スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」を舌の下部にたらして、2分間維持します。
その後飲み込み(吐き出しても良い)、5分間は、うがいや飲食はできません。
薬の量は、計画的に増量しますが、医師の指導の下、舌下免疫療法をすすめていきます。
スギ花粉の飛散時期は、スギ花粉アレルゲンに対する過敏性が高まってるため、治療を開始できないので注意が必要です。
また、スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」の投与を開始した後、途中で投与を休止し再開することも禁忌事項とされています。
やむを得ない理由で投与を中止した場合はもう1度医師の診断と処方を受けましょう。
中止した期間が1ヶ月以内であれば継続の投与ができるようですが、3ヶ月も空いてしまうと初期投与量から再開になります。
治療開始の最初の1週間
最初に1週間は、濃度の薄いスギ花粉エキス舌下液「シダトレン」200JAU/mlボトルを少しずつ増量します
1日目:0.2ml
2日目:0.2ml
3日目:0.4ml
4日目:0.4ml
5日目:0.6ml
6日目:0.8ml
7日目:1.0ml
2週目
2週目は、スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」2,000JAU/mlボトルに濃度を10倍に上げて少しずつ増量します
1日目:0.2ml
2日目:0.2ml
3日目:0.4ml
4日目:0.4ml
5日目:0.6ml
6日目:0.8ml
7日目:1.0ml
3週目以降
2週目を終了後は、維持期でスギ花粉エキス舌下液「シダトレン」2,000JAU/mlを2日1.0mlを継続する。
抗原特異性が高い小児の時期から治療することが有効と言え適用を12歳以上からとしているようです。
また、臨床試験の結果、12歳以上の患者で最短で2年間、推奨では3年から5年間の継続治療が必要となります。
治療の経過観察を行いながら期間は自分で決める事ができます。
分量を守らなければ副作用もあるため、医師の指導下で分量を守ることが求められます。
新薬は薬価基準収載の翌月の初日から1年間は、原則として1回の処方で最長で2週間分の投与が限度となっています。
よって、最初の1年間は2週間に1度通院することになると思われます。
スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」は鳥居薬品の所定の講習会を受け、登録された医師の処方が必要になる薬です。
市販の薬局では購入することはてきません。
万が一、副作用を発症した時に対応できる医療体制のもとで治療を受けることが前提となります。
これまでアレルギー薬を処方してもらっていた耳鼻咽喉科や皮膚科では、治療を受けられない可能性もあります。
舌下免疫療法スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」に期待される改善効果
●3割が完治
●5割が症状が症状が軽くなった
●2割はほとんど変化なし、改善が見られなかった
全体的には、約8割の有効性が期待されます。この数値は決して悪くありません。
2014年以降に医師が舌下免疫療法を処方した患者にスギ花粉飛散シーズンにおいて有効性があると判定した割合が80%という結果がでています。
国民の3割が花粉症患者と言われていますので、約8割の有効率はビックニュースと言って良いでしょう。
シダトレンの副作用
臨床試験から、これまでの皮下注射による減感作療法と比較すると重い副作用は激減すると言われています。
臨床試験期間でも重い副作用は発生していません。
しかし、重篤な副作用の可能性として、アナフィラキシーショックがあります。
免疫のはたらきに関係するアレルギー反応で、最も激しいアレルギー症状のことです。
アレルギーショックは、全身に、そして短時間に発症します。
発症の主な原因は、減感作療法におけるアレルゲンエキスやハチの毒、食べ物だとそばや魚介類などでも発症することがあります。
最初の症状は、口や手足のしびれ、じんま疹(しん)、冷や汗などで、しだいに脈が非常に弱くなり、血圧が急激に低下するのが特徴です。
最悪の場合、呼吸困難や失神など激しい症状を呈し、治療が遅れると死亡することもあります。
よって、減感作療法であるスギ花粉エキス舌下液「シダトレン」の舌下免疫療法は、医師の処方、薬の量を守り慎重に治療をすすめる必要があります。
その他の主な副作用として、口内炎、舌下腫脹、咽喉頭そうよう感、口腔内腫脹、耳そうよう感、頭痛などがあります。
副作用があるため、処方できる医師は講習会受講後、登録制
医師が処方を誤ると重い副作用を発症する可能性もあります。
そこでこの治療を始める医師は、「減感作療法」と「シダトレン適正使用」に関する所定の講習会を受講する必要があります。
そして、確認テストに合格しなければ「講習会修了医師」として登録されないてめ舌下免疫療法薬「シダトレン」を処方することが出来ません。
おおよそ6月から11月の期間に治療を開始することができます。
スギ花粉が飛散している時期は治療を始めらることが出来ません。
治療は最短で2年間、推奨では3年から5年間継続して行うことで、花粉症の症状から開放され完治が期待されます。
舌下免疫療法薬「シダトレン」の投与が禁忌とされている疾患
◎舌下免疫療法の投与によりアレルギーショックを起こしたことのある方
◎重度の気管支ぜんそく患者
◎悪性腫瘍の疾患がある患者
◎免疫系に影響を及ぼす全身性疾患がある方
臨床試験がなく、投与に慎重さが求められる方
◎65歳以上の高齢者
◎妊婦、産婦、授乳婦
◎12歳未満の小児
12歳未満の子どもに適応となった「シダキュア」が発売されています。
12未満の小児に舌下錠剤「シダキュア」が発売
シダキュアは平成28年から保険適用の治療が開始されています。
平成30年12歳未満にも適応とした舌下錠剤の「シダキュア」が発売されました。
この「シダキュア」には年齢制限がなく、医師の診察を受けて、医師の判断で処方されます。
「シダキュア」の特徴は、年齢制限がないことや常温での保管が可能な点です。
薬の効果もこれまでの「シダトレン」と同等とされており、液体から錠剤になったこともスギ花粉症の患者さんに朗報といえます。
副作用などは従来の「シダトレン」と同じです。
スリット減感作療法の体験談
健康保険適用外であった「スリット減感作療法」と同等の舌下免疫療法「シダトレン」が平成26年10月から保険適用範囲内になりました。
ヨーロッパでは早くから承認されており、半数近くの病院で導入されている治療でスリット減感作療法と呼ばれています。
まだ、アメリカではまだ承認されていないようです。
日本の専門病院でも健康保険適用外の治療として行われていましたが、今回厚生労働省の承認を受け健康保険適用の治療になりました。
花粉症の治療として、一気に普及する可能性があります。
この治療法は、対処法ではなく、花粉症を根本から治す治療です。
スリット減感作療法の治療体験者の声です。ご参考になればと思います。
■スギ花粉の季節になっても、今までのように飲み薬を服用する必要がなくなったので、薬の副作用の心配も無くなり、3年間のスリット減感作療法でほとんど完治しています。
■医師にすすめられて、11月からスリット減感作療法を始めましたが、最初の花粉シーズンからびっくりする程効果がありました。
2月中旬の特に飛散量の多い日に少しだけ目のかゆみがありました。
また、くしゃみが時々出る程度で、ほとんど完治したと言える程の効果を感じています。
スギ花粉の飛散がほぼ終わった4月になってから鼻水と目のかゆみの症状が出たので、かかり付けの病院でアレルギー反応の検査してもらったところ、ヒノキの花粉に反応していると言われました。
スギ花粉に対する症状はほとんど無くなりました。毎年、内服薬と点眼薬のお世話になっていましたが、今年は両方がなくても全く大丈夫でした。
■花粉が多く飛散した日も花粉症の症状が出なかったので、気付かない程良くなっています。
多量に飛散していた日も気づかずに過ごしていました。
■半年程度で薬もマスクもなしで花粉症の季節を乗り切れる様になったことがうそのようです。
■毎年2月に入ると鼻水や目、喉のかゆみに悩まされ、4月末まで約2ヶ月間悩まされていました。
今年に初めてスリット減感作療法の治療を始めましたが、自分が花粉症であることをしばしば忘れてしまうほどに症状が改善しました。
■スリット減感作療法を始めて2年が経過し、眠れないほどにひどい鼻づまりが改善されて本当にうれしく思っています。
以前、悩んでいたのがうそのようで、飛散量が多い日も普通に過ごせています。
■スギ花粉の飛散時期に、皮膚にかゆみや腫れが出ていましたがなくなりました。
鼻水はまだ多少出ていますが、かなり改善いたしました。鼻炎の薬を飲まずに一年を過ごせたのは10年ぶりのことです。
毎年、3本は買っていた洗眼液も、1本で買って準備していましたが、結局使わずに済みました。
■目のかゆみの症状は全く無くなり、時々喉がかゆくなったり、くしゃみが出る程度にまで改善しました。
シダトレンの治療費と治療を受けられる病院
シダトレンの検査費用と治療費用
治療の開始前に本治療が適しているかを判断するためアレルギー検査を受ける必要があります。
その検査費用が初診料込みで5,000円から6,000円程度かかります。
治療費は健康保険が適用されて月に2,000円から3,000円(3割負担の場合)程度になります。
また、治療中に過剰反応や副作用が出た場合は別途薬が処方されますので、その分が加算されます。
スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」舌下免疫療法を行っている病院です。
関東地区の病院
所在地:東京都渋谷区代々木2-16-7 山葉ビル5F
電 話:03-5351-1081
所在地:東京都立川市曙町2-8-30 三上ビル2F
電 話:042-548-3688
病院名:日本医科大学付属病院
所在地:東京都文京区千駄木1-1-5
電 話:03-3822-2131
病院名:日本大学医学部附属板橋病院
所在地:東京都板橋区大谷口上町30-1
電 話:03-3972-8111
所在地:東京都中央区日本橋室町2-4-3 日本橋室町野村ビル7F
電 話:03-3274-4159
病院名:千葉大学医学部附属病院
所在地:千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-1
電 話:043-222-7171
病院名:蓮田西口さくら内科クリニック
所在地:埼玉県蓮田市上1-4-19
電 話:048-768-0213
病院名:菅野耳鼻咽喉科
所在地:神奈川県川崎市宮前区東有馬3-5-29 KUMANOビル1F
電 話:044-852-8733
病院名:都筑メディカルクリニック
所在地:神奈川県横浜市都筑区荏田南1-12-16
電 話:045-943-8801
関西地区のスギ花粉エキス舌下液「シダトレン」を行っている病院
病院名:関西医科大学付属枚方病院
所在地:大阪府枚方市新町2-3-1
電 話:072-804-0101
病院名:ゆたクリニック
所在地:三重県津市修成町2-3
電 話:059-227-4187
検索の多い都道府県の病院のご紹介サイト
スギ花粉エキス舌下液「シダトレン」舌下免疫療法を受診できる病院の探し方
1.まず、これまで通っていた病院を訪ねて紹介してもらう方法があります。
2.また、日本耳鼻咽喉科学会や日本アレルギー学会のサイトでは、舌下免疫療法の治療が受けられる平成26年10月ごろから舌下免疫療法の治療の資格保有者の一覧を公表するようです。
3.さらにスギ花粉エキス舌下液シダトレンの製造販売を手がける鳥居薬品では、治療が受けられる病院の検索サイトを立ち上げるべく準備をしています。
「アレルギー専門医」が10人以上在籍する医療機関
1.相模原病院(神奈川県相模原市)
2.昭和大学病院(東京都品川区)
3.獨協医科大学病院(栃木県壬生市)
4.埼玉医科大学病院(埼玉県毛呂山町)
5.日本大学板橋病院(東京都板橋区)
6.名古屋大学病院(愛知県名古屋市)
7.藤田保健衛生大学病院(愛知県名古屋市)
8.福岡病院(福岡県福岡市)
9.千葉大学病院(千葉県千葉市)
10.東京医科歯科大学病院(東京都文京区)
11.大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター(大阪府羽曳野市)
12.近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)
13.岡山医療センター(岡山県早島市)
14.九州大学病院(福岡県福岡市)